無料-
出会い-
花-
キャッシング
資本主義という順調な船:経済成長率が良ければ全てが良しか?
ノーム・チョムスキー [チョムスキー・フォーラムから]
翻訳:寺島隆吉+福田裕三郎(公開2004年9月27日)
質疑者:
しばしば保守主義の人達は、資本主義における不平等への申立てに応えて次のように云います;「[資本主義という] 船は全く順調に上昇しつつある。潮流が船をもう少し高く持ち上げてくれるなら誰も [不平等など] 気にはせんよ」と。つまり何がしかの成長率があれば資本主義はよいものだというわけです。あなたの御意見は?
チョムスキー:
それはスターリン主義やナチズムにとっても素晴しい論拠となります。ロシアは '60年代半ばまで全く大きな実質的成長率を得て、米・英の指導層に大きな関心を引き起こしました。クレムリンの支配に従う東欧についても同様です。
したがって、アメリカとその取り巻き諸国の基準にしたがえば、これこそ結構な「平等主義」です。ヒトラーの大層な人気はドイツの経済進展に基づくところが少なくありませんでした。
アメリカでは第二次世界大戦から '70年代半ばまで高度な「平等主義的」成長がありましたが、それは新自由主義改革(グローバリゼーションという馬鹿げた呼ばれ方ですが )が導入された時でした。
そのとき以来、成長や他の関連する経済指標は低下してきており、人口の約90%の人達は諸給付に加えて実質所得が停滞するか下落してきています。その一方で、超富裕層が、特にブッシュ政権下で、あらゆる指標が急上昇しているのです。
すなわち、彼らの「平等主義」には応答すべき何の内容もないのです。それは「残飯」「豚の餌」です。だから、その人達が高貴な「保守」という言葉の名誉を傷つけるのをそのままにさせておいてはいけません。政界や他の公共の場において本物の保守主義者は殆どいないのです。
[PR]動画