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9.11 Families For Peaceful
Tomorrows 9.11の遺族の手記
(原文はhttp://www.peacefultomorrows.org./の中のVoices
of PTの中にある。)
To avoid another Sept.11, US must join
the world
別の9.11を避けるために、米国は世界に加わるべきだ
2002年9月11日
Rita Lasar
リタ・ラサール
(翻訳:岩間龍男、公開2003年10月15日)
昨年の9月11日に飛行機が世界貿易センターに激突した時、ノース・タワーにいた私の弟エイブはその場を逃れるのが困難であった車椅子に乗った親友であり同僚の安全を心配したために、避難することをしなかった。エイブは救助が来るのを期待しながら、その友人とその場に留まった。救助はやって来ず、ニューヨークの数千の罪のない他の人々と共に、弟と彼の生涯の友人は死んだ。
その日は私の人生を変えた。その日は世界貿易センタービルで愛する人々を亡くしたすべての人の人生を変えた。その日はペンシルバニアに墜落した飛行機に乗っていた人々の肉親の人生を変えた。その日はペンタゴンで愛する人々を亡くした数百もの家族の人生を変えた。そしてそれ程ではないにせよ、その日は米国で生活する人々の人生を変えた。
その惨事から数ヶ月の間に、いかに9.11が世界を変えたのかということをしばしば耳にした。しかし私はその攻撃は世界を変えたとは思わない。米国人が9.11は世界を変えたと考えるのは、自分たちが生活している世界についてあまり知らないからである。
ルワンダで1994年恐ろしい大虐殺が行われ、50万人以上の命を奪ったが、このことが世界を変えたと、誰かが言ったのを私は聞いたことがない。20年にわたる東チモールでの20万人のインドネシアによる大虐殺が世界を変えたと、私は誰かから言われたこともない。エイズのためにサハラ以南のアフリカで毎日8000人以上の人が死んでいることが世界を変えたということも、私は聞いたことがない。
これらの人々は私の愛する弟よりも大切な人でなかったのだろうか。
私の個人的な悲しみにもかかわらず、これらのより大きな惨劇から見て、9.11は世界を変えたなどとは結論を下すことは私にはできない。9.11が為したことは、ひどいやり方ではあったが、米国人に、すでに非常なまでに問題の多い世界に加わることを勧めることだった。問題は私たちがその勧めを受け入れるかどうかということだ。
悲しいかな、ブッシュ大統領はそのようなことをすることに関心はない。米国が世界の仲間入りをし、新しい国際刑事裁判所と協力をすることを、大統領は望んでいない。彼はまた長い間続いたロシアとの弾道弾迎撃ミサイル制限条約から米国を離脱させた。インドとパキスタンが核戦争の寸前で身震いをしているというのにである。彼は地球温暖化を緩和する国際協定[京都議定書]を支持することを拒否した。彼は地雷禁止条約を批准しようともせず、米国をブッシュの言う「悪の枢軸」であるイラク、イラン、北朝鮮といっしょの状態にしている。
現在、大統領はイラクとの戦争を計画している。彼はその戦争を正当化するイラクの米国への侵略行為がないことや、イラクが9.11の攻撃に何らかのつながりがあるという証拠がないことは、全く気にしていない。また彼は、世界がイラクへの侵略に反対していることも気にしていないようだ。
最初の湾岸戦争を戦った国際的な連合は、ある国が何の挑発もないのに別の国を侵略することはできないという原則で絆を強くした。現在ホワイトハウスは、正当な理由のないイラク侵略を始めることによって、その国際的な連合を解散させようとしている。
孤立した米国は安全な国ではない。9.11が示したように、米国を攻撃できないようにする十分な高いバリケードや爆弾や洗練された諜報機関もない。
私たち米国人には選択肢がある。
私たちは一人ぼっちであり、私たちは世界から何の恩恵も受けておらず、世界だけが私たちにあらゆる恩恵を受けているのだと、私たちは結論付けることもできる。これは、ブッシュの「あなたたちは我々の味方なのか敵なのか。」という暗黙の仮定である。それは近視眼的な自己中心的な哲学である。
あるいは、私たちは目を開いて、世界をより安全で正しい場所にする多くの機会を見ることもできる。
平和と社会的平等を主張する国際機関や多国間の条約や議定書に積極的に加わることである。
私たちはもはや、ひとりよがりの方法を用いることはできない。もし私たちがテロリズムの根源に辿り着くために世界の助けを望むならば、私たちは世界の国々を助けなければならない。私たちは9.11のような悲劇の恐怖をとてもよく理解している人々が、世界中に何百万人もいることを理解しなければならないだろう。[彼らはそのような悲劇を何度も経験しているからだ。]
このことが実現された時、その時にのみ私たちは9.11がどのように世界を変えたのかを見ることになるだろう。
リタ・ラサールは「平和な明日を求める9.11遺族の会」の創設メンバーのひとりである。
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