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3年の後に
ピースフル・トゥモロウズの声明
2004年9月11日
翻訳:岩間龍男(公開2004年9月22日)
3年近く前に、「平和な明日を求める9.11遺族の会」は次のような信念から生まれました。すなわち、私たちの愛する人たちの命を奪った9.11への米国の軍事的な対応は罪のない民間人の無数の死につながり、テロの動機をますます増やすことになるだろうということです。さらには、米国や世界をより危険な状況にすることになり、次世代にとってより自由を制限するものになるだろうということです。
今日9.11を私たちがしのぶ時、私たちが最も恐れていた事態となってしまっています。テロ戦争によって、9.11のテロは忘れ去られたわけでもないし終ったわけでもありません。
我が国のアフガニスタンでの爆撃や軍事行動によって、130人以上の米軍兵士と推定で4000人の民間人が命を落としました。さらにはその破壊されたアフガンの国の再建の失敗によって事態はますます悪化しています。タリバンの将軍たちが復活し、救援機関がアフガニスタンを去り、米軍兵士と罪のない民間人が死亡し続けています。アフガニスタンの大統領ハミッド・カルザイは次のことを認めています。政治的過程を安定させることに努力をする中で、彼は元タリバンの役人たちの支援を求めています。オサマ・ビン・ラディンは未だに捕まっていないし、アルカイダは強力なテロ組織のままです。これはスペインのマドリードの列車爆破によって証明されていることです。
9.11の攻撃と何も関係のない国イラクを我が国が違法に人道に外れて不当に侵略することによって、1000人の米軍兵士と推定で12000人のイラクの民間人の命を奪ってきました。また数万人の人々を物理的精神的に傷つけてきました。今日、私たち米軍の継続する占領、電気や水の基本的な供給に失敗をしていること、そしてアブグレイブでの捕虜たちの拷問によって、イラクは反米感情の中心地となってしまっています。イラクはテロリストの新しい世代を世界中から募る場所となってしまっています。
グアンタナモでは40カ国のおよそ600名の拘留者が、告訴なしで弁護士と接触することも許されないまま投獄されたままです。本国に送還された拘留者たちは、ジュネーブ条約や米国の民主主義の原則に違反している状況を証言しています。米国内では「米国愛国法」が、法律を守っている市民を監視する無制限な自由を政府に与えています。平和的な抗議を制限することにより、我が国の憲法上の保障である言論と集会の自由を愚弄しています。その一方で、犯罪や差別が我が国に暗い影を落とし続けています。
これらすべてのことは9.11で亡くなった私たちの愛する人々の名の下に行われてきました。そして世界中の罪のない犠牲者の苦しみを受け入れがたいものとしています。世界を危険な状態にしている行動が米国の安全の名の下に実行されている時、私たちが世界で展望した安全と自由と敬意の真の源泉を考え直さねばなりません。
安全と自由の源泉は圧倒的な軍事力の行使なのでしょうか。「我々とやつら」というふうに世界を分割し、民族全体を「邪悪な」ものとして名指しすることによって、私たちは安全と自由を見つけ出したのでしょうか。3年前、フランス人は「私たちは皆アメリカ人だ」と宣言しました。イラン人は私たちの[愛する]犠牲者のために即座にロウソクを灯して行う徹夜の祈り[キャンドルライト・ビジル]を捧げてくれました。今日、米国の威信は低下するばかりです。仲間も敵も米国が先制攻撃を行おうとする並外れた感覚に恐れおののいています。
複雑な悲しみに対応するために我が国が暴力を使うことによって、私たちはどのような前例を作ってきたのでしょうか。ここ1週間のうちに、ロシアで子どもたちが拉致され殺害された胸の張り裂けるような映像を私たちは見ました。このことは、一般市民へのテロが9.11以来の我が国の行動によって少しも軽減されていないことを私たちに思い起こさせました。もちろん一般市民へのテロは9.11に始まったわけではありません。イラクにおいては、40人以上の一般市民が拉致され、人道上の苦しみを大きなものとしています。その一般市民は日本、ヨルダン、イタリア、中国、ウクライナ、韓国、エジプト、ネパール、インド、ケニヤ、フィリピン、ブルガリア、米国の人々です。
2002年9月11日、私たちは次のようにして米国政府に国際社会に全面的に参加するよう要求しました。すなわち、国際条約を尊重すること、国際刑事裁判所を承認して参加をすること、国連憲章を遵守すること、そして国際法の教えに言行を一致させて同意することです。今日私たちは米国政府に国際社会の正規の会員に立ち戻るよう強く要求します。
私たちはますます複雑化しつつある世界において我が国の外交政策の鈍器としての戦争を終わらせることを要求します。私たちは自由や安全は政治家やペンタゴンによってもたらされるものではなく、我が国の憲法によってもたらさられると認識しています。私たちは恐怖と嘘と無知の三重の脅威から自らを守るため、米国民が立ち上がることを呼びかけます。
最後に私たちは、世界中の人々がテロと戦争の歴史的な経験によって復讐の道を選ぶのでなく、平和な世界を築くことに専心することを願っています。この中には、イスラエルとパレスティナでの暴力の犠牲者、バリ島のナイトクラブの爆破事件の犠牲者家族、オクラハマ・シティで殺害された犠牲者家族、広島と長崎の原爆で生き残った人々、スペインのゲルニカやドイツのドレスデンの爆撃で生き残った人々、ケニヤ、カンボジア、チェチェン、南アフリカ、北アイルランド、ボスニア、スリランカなどでのテロの犠牲者家族を含みます。彼らの証言と彼らの和解への努力を通じて、平和は一人一人の個人の心の中から始まることを示しています。そして団結した人々には世界を変える圧倒的な力があることを示しています。
毎日私たちは言葉や行動を通じて、私たちが生きていきたい世界を創造することを望んでいます。今日私たちは戦争が答ではないと認識している世界中の人々と交流をしています。9.11から3年後の今日、私たちは平和を望み続けています。
平和な明日を求める9.11遺族の会
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